先日 USB テスターを購入しました。
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このテスター、できることが多すぎてわからないし、マニュアルは中国語しかないしということで、なかなか使うのに難儀していました。
中国語を Google 翻訳さんと DeepL さんに頼んで和訳してもらいました。
ですがそれでもわからない。
ということで実機を触りながらわかった手順をまとめてみました。
私の備忘録と、これから悩むユーザーのためになればこの記事の価値が出るというものです。
最初に知っておくこと・やっておくこと
ここではハードウェア的なボタンの説明や言語の切り替え、電源のオン・オフについてまとめます。
インターフェースについて
インターフェースは非常にわかりやすいです。
裏を見てみるとこのようにどこが何の端子か、何のボタンかが記されています。
これを画面を表にした状態にあてると、このような状態になります。
中国語から英語に変更する
中国語が読める方以外、この操作は何よりも最初にやっておくことをお勧めします。
読めない言語の中で操作するのと読める言語の中で操作するのではスピードが段違いです。
WITRN U3 を起動した最初の画面 (V, A, W が大きく表示された画面) で [Back] ボタンを押下します。
これによってメニューが出てきますので、1 番上にカーソルを合わせたまま [OK] ボタンを押下します。
最初から "Language" と書かれたところにフォーカスが当たっているので、そのまま [OK] ボタンを押下します。
出てきたメニューのなかで "English" にフォーカスを合わせて [OK] ボタンを押下します。 フォーカスは [+] ボタンを押下すると下に、[- ] ボタンを押下すると上に移動します。
中国語だったメニューが英語になります。
電源のオン・オフについて
電源の供給が始まると自動的に ON になり、起動画面が表示されます。
逆に電源をオフにする際は、ケーブルを抜くなどしています。
画面だけをオフにしたい場合は、後述する画面の切り替えでオフにすることができます。
5 つの画面の説明と切り替え
WITRN U3 には、大きく分けて 5 種類の画面があります。
※ 各画面の名称はマニュアルを機械翻訳したニュアンスから自分の理解で記載しています。
- 電流・電圧・電力画面
- 容量統計・タイミング画面
- 急速充電プロトコル画面
- 曲線表示画面
- 画面オフ
これらの画面は、[+] ボタンと [-] ボタンで切り替えることができます。
電流・電圧・電力の画面
この画面は上から順に、電圧 (V)、電流(A)、電力 (W) の値を表示しています。
数字の下の矢印は電気が流れている向きになります。
画面左上のこれらのアイコンはちょっとよくわからなかったです。
ですが、できる限り自分で検証してみて、ダメだったものはマニュアルを頼りに確認しました。
アイコンは左から順に、以下の意味を示します。
※ (検証済み) と記載されているもののみ、内容を理解しました。
- 加速度センサー (以下 G-sensor) による自動回転のオフ・オンを示します。
自動回転がオンのときはこのアイコンが光ります。(検証済み) - シリアル ポート スイッチ (Bluetooth 透過伝送)
- コンピューターのオンライン ステータス
- オフラインの曲線記録ステータス
設定画面を開く
この画面で [Back] ボタンを押下すると、メニューが開きます。
メニューは以下の 3 つです。
Menu
これは詳細設定を行うところです。
中国語から英語に変更する で紹介した、言語の変更などを行うところになります。Rotate
G-Sensor を切っているときは、ここを押すと画面が回転します。
デフォルトでは G-Sensor はオンになっているのであまり使わないかも。About
シリアルナンバーやファームウェアのバージョンが確認できます。
電気容量の統計とタイミングの画面
この画面は、電気容量の統計情報を確認、保存することができる画面のようです。
この画面は 3 つのブロックに分かれています。
電圧と電流の表示
これは説明不要ですね。
時間単位の電圧・電流の値?
Ah や Wh という単位と時計のようなアイコンから推察するに、ある時間当たりの電圧や電力の値が記録されると思われます。
ですが現時点でこの機能がまともに使えていないため、わかり次第更新します。何かの値のグループ
私の環境ではなかなか値が記録されないため何の値かが現在不明です。
使っていくうちにわかり次第更新します。
メニュー画面の表示
この画面で [Back] ボタンを押下するとメニューが開きます。
現時点で私はこのメニューの機能は利用していません。
要望があるか、必要になったら更新します。
急速充電プロトコル画面
この画面は急速充電のプロトコルを確認する画面のようです。
この画面は大きく 3 つに分けられています。
それぞれの意味は以下の通りです。
電圧と電流、電力の表示
これはもう何度も出てきていますね。
画面を変えなくても大事な数字は見えるようにしているところは便利でいいですね。プロトコルの表示
このプロトコルは D+/D- の値と、電流、電圧から判断しているもののようです。
確実性はないから目安にしろよ、というようなことがマニュアルに書いてありました。
- 各種設定値
上から順に値の意味を記載します。
・ HID の電圧
・ NTC の温度
・ D+ にかかっている電圧
・ D- にかかっている電圧
・オフライン曲線しきい値電流
・ 電流グループ
・ 記録ステータス
・ 録画可能容量のプログレス バー
この画面は、これ以外に以下の情報を確認することができます。
- 急速充電プロトコル自動検出機能
- PDO (Power Delivery Object) の確認
- 温度の確認
- G-Sensor の確認
急速充電プロトコル自動検出機能
おそらく本職で深いところまで見ない限りは、この機能が使えれば十分だと思います。
少なくともガジェット ブロガーとして充電器について調べるならこの辺りの情報でよいかと。
急速充電プロトコルを自動的に検出する機能の使い方を本項では記載します。
急速充電プロトコル画面 の画面で [Back] ボタンを押下すると以下のメニューが表示されます。
[1. Auto Detection] にカーソルを合わせて [OK] を押下します。
「Danger! High voltage! Do not connect device!」 という警告が発生します。
インターフェースの項目にあった画像の (Output) と記載されている部分に何かデバイスが接続されていないことを確認してください。
※ インターフェースの図へ移動する
「The device maybe restart during the test! Do not pull out the devic during the test!」 というメッセージが表示されたら [OK] ボタンを押下します。
以降は自動検出が終わるまでケーブルを抜かないでください。
(device の "e" が抜けてるよなあ……)
自動検出が始まると表示されるプロトコルがどんどん増えていきます。
途中で画面が消えることもあります。
注意書きにもテスト中はデバイスが再起動する可能性があるって書いてましたし、気長に待ちましょう。画面上部に 「Auto Detection Finished」 と表示されたらテストは終了です。
表示された項目の内容はそれぞれ以下のことを意味します。
Fixed : 定電圧出力の情報
PPS : PPS に関する情報
赤 : 検出されていないプロトコル
緑 : 検出されたプロトコル
水色 : この文字色についてはファームウェアの変更で意味が変わったようですが、肝心の意味が見つからず……
紫 : 異常なプロトコル
※ PPS について大まかに説明すると、接続している端末ごとにあわせた電気を供給することで、エネルギーのロスを最低限に抑える機能です。
すごーくざっくり説明すると "緑が多ければ対応している急速充電の種類が多い" ということです。
そして Auto Detection が終わった状態の画面で [OK] ボタンを押下すると以下の画面が表示されます。
これは PD に対応しているものが、どれだけの電圧と電流を供給しているかを示します。 PD 3.0 は 5 V - 20 V の電圧仕様があって、3 A で最大供給電力のものはすべて対応する必要があります。
先ほどの画像で言うとこういうことになります。
電圧 [V] | 電流 [A] | 電力 [W] |
---|---|---|
5.0 | 3.0 | 15.0 |
9.0 | 3.0 | 27.0 |
12.0 | 3.0 | 36.0 |
15.0 | 3.0 | 45.0 |
20.0 | 2.25 | 45.0 |
検証に使っているものは USB Type-C に接続しており、複数ポートを使っているときは最大供給電力が 45 W です。
この値を見るとしっかりと規格に則ったものであると判断してよいと思います。
PDO (Power Delivery Object) の確認
急速充電プロトコル画面 の画面で [OK] ボタンを押下すると以下の画面になります。
この状態で更に [OK] ボタンを押下すると以下の画面になります。
PDO と書いているのでおそらく Power Delivery Object の情報が確認できるのだと思われます。
USB PD を使う際には対応可能な PDO という情報を送信して、どの情報を使うかを返すという仕組みになっています。
おそらくその情報を確認できると思うのですが。
なぜ画像で NO となっているかはわかっていないです。
[Back] ボタンを押下すると元の画面に戻ります。
温度の確認
急速充電プロトコル画面 の画面で [OK] ボタン > [+] ボタン の順で押下すると以下の画面になります。
ここで [OK] ボタンを押下すると以下の画面が表示されます。
おそらくプロトコルのところでも表示されるはずの温度が表示されると思うのですが……
これも動いてなさそうですね。
[Back] ボタンを押下すると元の画面に戻ります。
G-Sensor の確認
急速充電プロトコル画面 の画面で [OK] ボタン > [+] ボタン > [+] ボタン の順で押下すると以下の画面になります。
ここで [OK] ボタンを押下したときの画面がこちら。
こちらはどうやら端末の傾き具合を表しているようです。
この通り、端末の傾け具合によって黄色い丸と水色の丸が動きます。
この円が重なったら、端末が水平だと判断できるようです。
[Back] ボタンを押下すると元の画面に戻ります。
曲線表示画面
こちらは電圧や電流、そのほか様々な波形を確認できるようです。
デフォルトでは電圧と電流の波形が見えています。
黄色が電圧、水色が電流のようです。
波形が勝手に流れますので、[OK] ボタンを 1 度押すと波形の流れが止まります。
前の画像では画面上部が再生のマークでしたが、今回は一時停止のマークになっています。
更にこの画面で [Back] ボタンを押下するとメニューが表示されます。
- 1/2 lines
電圧と電流の波形が同時に出ていたのですが、片方ずつの表示に切り替えることができます。
- Sample Rate
波形の周期を変更します。
- Switch Curve
なんとグラフの種類を変えることができるようです。
色々な種類の情報があるようですが、私には意味するところがわからない……(無知)
画面オフ
これ、説明要る?
ファームウェアの更新方法
ファームウェアの更新方法についても記載します。
WITRN の公式サイトから、ファームウェアを更新するためのアプリケーションとファームウェアを持ってきて更新するかたちになります。
事前準備
以下の URL にアクセスします。
www.witrn.com以下の画像の青枠のファイルを入手します。
※ 装x86, 別装64 とか書いてあるところは .NET Core のインストーラーです。
既に .NET Core が導入されている環境ではこのファイルは不要です。
.NET Core 以外の 2 つは、リンクを右クリックして [名前を付けてリンク先を保存] をクリックする方法で保存してください。
- 以下の 2 つもしくは 3 つのファイルを手元に用意してください。
- U3_Firmware_Vx.x.rar (x.x はバージョン)
- WITRN_USBMeterUP_Vxx.rar (xx はバージョン)
- windowsdesktop-runtime-3.1.25-win-x86.exe (必要な人だけ)
※3.1.25 はおそらくバージョン
環境に .NET Core がインストールされていない方は "4. " へ進みます。
- windowsdesktop-runtime-3.1.25-win-x86.exe を実行して、画面の指示に従い .NET Core をインストールします。
更新手順
事前準備 の項目で入手した 2 つの rar ファイルを展開します。
WITRN_USBMeterUP_Vxx.rar の中にあった MeterUP.exe を起動します。
インストールが発生するものではなく、直接起動します。
U3 本体の [OK] ボタンを長押ししながらパソコンに接続します。
※ 画像は本体についている USB を接続していますが、この操作は非推奨です。
正しくは PC USB HID のところに Micro USB を接続します。
(ファームウェアに一緒についてたテキスト ファイルにはこの USB でつなぐ方法が書いてあったので自己責任のもとで行いました。)
DFU と書かれた画面が表示されたら次の手順に進みます。MeterUP.exe の下の文字が 「U3[Vx.x]」 のように変化したら正しく認識されています。
画像の [...] をクリックして、U3_Firmware_Vx.x.rar の中にあった u3 ファイルを選択します。[Go] をクリックします。
U3 本体の画面では install や verify などのステータスが流れます。
更新が完了したら、U3 本体の画面が通常の画面に戻ります。
このとき、アプリケーション側には 「成功」 と記載されます。
履歴も残っているようですが、こちらは中国語で読めませんでした。
2023 年 1 月 4 日 公開