#電子のブログ

仕事したくない外資系 IT エンジニアの雑記

元 IBM TSOL 社員から見た当時の就職情報をまとめてみた

※ 私は 2019 年に転職をしていますので今の事情は理解していません。
 あくまでも当時勤めていた人間の主観ということで参考程度に眺めてください。

年明けから GW 前にかけて、Twitter で前職に関する質問を
受けることがあります。
その原因はこの記事です。

www.free-denshi.life

いやぁ、懐かしいですね。
公開当時は 「子会社勤務が IBM を名乗るな。車のディーラーに
勤めて自動車会社勤務とかイキッてる高卒かよ。」 みたいな
ツッコミをいただいたりもしました。

質問内容は退職について、というよりも
「この会社に勤めようと思ってるんですがどんな感じですか?」
という質問が多いです。

どうやらこの会社の内容がネットにあまり無いらしく、仕方なしに
私に聞いてきているような感じがありました。

ということで超個人的な目線ですが、IBM TSOL に私が勤めていた時の
仕事内容とか、簡単な質疑応答を書いてみようと思いました。

IBM TSOL とは

IBM の 子会社で、ハードウェアやソフトウェアの保守を
担っています。
仕事は大きく分けて以下の 3 つがあります。

  • ハードウェア保守
    IBM や Lenovo をはじめとした、ハードウェアの保守を担当します。
    私がかつて所属していたのもここになります。

  • ソフトウェア保守
    ストレージの管理ソフトウェアや RedHat などのサポートを担当します。
    私がいたときはちょうど RedHat の買収が行われたものの、何をするかが
    定まっていなかった時期だったので、RedHat の何をするかまではわかっていないです。。

  • セキュリティーサービス
    お客様のシステムを常時監視して、アラートが上がった時に
    そのことをお客様に報告したり、対策を行う部署らしいです。
    なぜ 「らしい」 かというと、ここの部署は私の所属していた
    事業所になく、仕事の様子を見たことがないからです((((

まぁ、この程度の内容は会社概要にも書いているんですが。。

www.ibm.com

あまり詳しくないところを語っても仕方がないので、ハードウェア保守の
観点でこれからは記述していきます。

仕事の内容

ハードウェア保守といっても様々な仕事があります。
雑務を入れるとキリがないのですが、大きく分けると以下の 2 つになります。

  • 電話対応 & ログ解析 & 現場エンジニアのサポート
  • 現地作業 & お客様マネジメント

このうち私は電話対応 & ログ解析 & 現場エンジニアのサポートを
担当していました。
そして技術的な腕が鈍ってしまわないように、年に 1 回くらいの頻度で
お隣の事業部に留学して現地で修理を行うこともしていました。

電話対応

私のときはお客様からの入電と受付を行い、そのまま起きていることの
ヒアリングを行いました。

リアルタイムに会話をして契約情報を確認、契約があれば受け付け業務を行い、
お問い合わせを発行します。
お問い合わせが発行できたら、お客様から症状を聞きます。

ここで問題となっている箇所がわかる場合はそのまま会話を終了し、
現場のエンジニアに情報を連携します。
わからない場合は、画面のキャプチャーやログをもらってみて解析を行います。
(個人的にはこの解析作業がこの仕事の核であり、楽しいところと思っています。)

わかったらお客様にわかった情報をお知らせして、現場のエンジニアに情報を連携、
修理に向かってもらいます。

ログ解析

この作業が私は 1 番楽しい。転職先でも同じことするくらいには好き。

あらかじめお客様から症状や、問題が発生した状況を聞いていると思うので、
その内容をもとにログを解析していきます。
ログを解析する力も大事ですが、社内の情報に蓄積されているバグである可能性もあります。

それらがパッと出てこないと詰まることがあるので、それらを紐づけて
覚える力も大事になります。

修理対応について

修理対応は私は部署間の留学制度でしかやったことがないので、言葉を選ばずいうと
ハイパーちょろ案件ばかりやっていました。

部品を持って現場に行って、お客様と事情を説明し機械の前に案内してもらいます。
そして部品の交換や修理作業を行ってから報告書を提出して終了。
ざっくりした流れがこんな感じです。

炎上すると別室にお呼び出しされて根掘り葉掘り聞かれたりするみたいですが、
ここは私の本職ではなかったので 1 人で経験することはなかったです。

ざっくりした流れを書きましたが、現場では思うようにいかなかったり、
持ってきた部品が実は問題なかった、なんてことも多々あります。

そういうときに現場エンジニアのサポートが利用されます。

現場エンジニアのサポート

指示通りに対応したけど直らなかった、聞いていた情報と違う、そもそも機械の触り方が
わからないといったこともあったります。
そういう場合は現場で悩み続けても仕方ないので、サポート部署に連絡を取ります。

サポート部門は社内の情報にすぐにアクセスができるので、そのような情報が存在しないか、
部品が違うなら手配をし直すといったことがスムーズにできます。

こなれた使い方になると、緊急対応時などに技術員サポートに部品の追加発注を依頼し、
その間に現場エンジニアが作業を実施、作業が終わるころに現場に部品が到着するなど、
結構融通が利いたりします。

マニュアルよこせ、この修理は何ページに書いてある? みたいなことを言ってくる輩もいますが、
これから入社を考える皆様は、必要な情報を探す力は身に着けておきましょう。

会社の設備や給料等

ここからはお待ちかね。お金や福利厚生の話をしましょう。

研修 : 手厚い研修でしっかり育ててくれます

私の世代だけは IT パスポートの教本を学習しました。
その他の世代は IT の基本 + CCNA の勉強と、さらに手厚くなっています。

研修の中では技術研修もあり、基本的な部品の外し方や、
保守に必要なソフトの操作方法などを学びます。

なお、修理の際の工具については最初に会社から支給されますので、
自分で工具をそろえる必要はありません。
仕事をやっていくうちにあったらいいなぁ、と思うものを自分を買い足しましょう。

ブラック企業によくある、怒られ続ける不毛研修や根性論前回な研修はもちろんありません。
あったら私は 4 年も在籍していません。

給料 : 新卒にしては高めだがそこから上がりづらい

私の時は大卒の初任給はおよそ 24 万円でした。
色々含めると年収は 420 万円程度。
初任給にしてはまぁよいほうかなと思います。

ボーナスは大体ですが、月収の 3 倍出ます。
これが年に 2 回。つまりボーナスがある月は給料 4 ヵ月分が入ってきます。
この月だけは精神衛生にとてもよい。

昇給については、人事評価で成績がよければごく微量に上がります。
2 年目に年収が 2 万円上がりました。
(人事評価は常に 中~上でした)

昇給はかなり少ないので正直期待できませんでした。

ちなみに辞める直前 (入社 4 年目・5 年目目前) は、夜勤手当やボーナスなどを込みにして
500 万円くらいでした。
この会社は昇給で稼ぐのではなく、夜勤手当や残業などで稼ぐイメージです。
入社 4 年目でも残業代をつけさせてもらえず、夜勤手当をつけなかったときの手取りが
約 18 万円ほどだったことを考えると、この認識はあながち間違いでもない気がします。

現場のおじさま達に話を聞くと 「マネージャーになると残業代が出ないから、
マネージャーになる条件を満たさないようにしてゆるゆる稼ぐのがいい」 と言っている方を
何人も見てきました。

家賃手当 : 無し

1 度人事の方に聞いたことがあり、家賃補助の要望について話してみたところ、
「新卒の割に給料高くしてるのは補助が含まれているからだ」 などと言われました。
家賃補助は出なくてもちゃんと交通費は出ましたよ!!(コロナ禍は在籍してないので不明)

社内設備 : 普通のオフィス。ベンチャー企業みたいなものはありません。

会社もフリー ドリンクでジュースが飲み放題!なんてものはなく、
お茶とお水が無料で飲めるくらいのものです。

いいパソコンや椅子が支給されるわけでもありません。

そのほかの手当て

確か夜勤のときは食事手当てがすこーしだけ出たような(うろ覚え
起業確定拠出年金はあります。

仕事面で言うと、深夜手当などはしっかり出ますし、お客様先に向かう電車賃、
電車が止まる深夜帯はタクシー代がちゃんと会社から支給されます。

よくいただく質問

ここからは Twitter でよくいただく質問を書いていきます。
質問が多かったらどんどん加筆予定です。

なんで辞めたの?ブラックなの?

退職エントリを見てください、が 1 番手っ取り早い答えです。

当時の部長が私のやりたいことをやらせてくれないくせに、
プログラミング経験があるからといって仕事に使うプログラムを
業務外で書かせたり、IBM Watson に夢をみて無茶ぶりすることが
多くなったからです。

会社自体は悪くないですし、風のうわさによるとその部長さんは、
私が辞めた後に早期退職制度を使って退職金マシマシで悠々と会社を
辞めていったそうです。解せねぇ

英語使う?

英語から逃げることはいくらでもできます。

ですが、電話対応でも他社製品の保守をするときは英語で電話が必要になります。
マニュアルを読むときも英語です。

しゃべることはいくらでも逃げられますが、せめてマニュアル読んで、
簡単な英語のメールを書ける程度の力は身に着けてください。

この会社ってなにしてるんですか?

それくらいは自分で調べてください。

何してるかわからない会社に行きたい、というのは矛盾が出ると思いますので、
企業研究とまではいかなくてもちゃんと何してる会社かくらいは把握してから
考えましょう。

実際にこの仕事は調べることが大事な仕事になるので、最低限の情報は自分で
調べられないと仕事になりません。

入社試験は難しいですか?英語の試験はありますか?

人によって価値基準が違いますし、年度によっても違うと思うのでわかりません。
私のときは IT の知識というより SPI 試験みたいな、考え方を問う筆記試験でした。
SPI 試験を難問と捉えるかどうかはその人次第です。
英語、英会話の試験は私の時にはありませんでした。

筆記試験はどんな問題が出ますか?

知るか。
知ってても教えられるわけないだろ

いつから採用が開始されますか?

知るか。(2 回目
採用担当に問い合わせてください。

仕事柄、初めて会話するお客様に電話するなんてことはよくあるので、
これもできないと入社後に仕事になりません。

給料どれくらいもらえるんですか?

新卒は採用の要項を読んでください。
私は最終的に額面年収 500 万円くらいになりました。

この仕事、楽しいですか?

機械いじりが好きな人、自作 PC 組むのが好きな人だとかなり楽しいと思います。
機械を直しに行くので、基本的には不快な気分のお客様のところに行く仕事です。
当然ながら怒られに行くこともあります。
機械いじりが好きだとそのようなストレス下でも捌け口があるので、少しでも楽しみを
見いだせるかどうかは重要なポイントだったりします。

勉強しておいた方がいいことってありますか?

この会社に入社が決まったのならおめでとうございます。
そんなあなたは重要なことを 1 つ、絶対やっておきましょう。

遊んでください。
やるべきことをやったら、入社まで思う存分遊んでください。

学ばなければいけないことは研修でやってくれます。
なんなら修理の技術も教えてくれます。

夜勤シフトとか、そういうのに入る前に全力で遊び倒しましょう。

※ 強いて言うなら英語はやっておいた方がいいかもですね

最後に

今回の記事はあくまでも私が勤めていた 2019 年までのお話かつ、
私の主観のお話になります。
参考にする、読み物にしていただく分には構いませんが、この記事を 100 % として
この会社に行くのはお勧めしません。

私がいた頃とは仕事の内容もやり方も変わっている可能性がありますし、
社内で制度改革やシステムの刷新が行われているかもしれません。
ですが私はそれを知らないからです。

ある程度は自分で調べる必要はありますが、今回の記事では、会社概要では記載されない
少しだけ踏み込んだ仕事の話や、面接などでは聞きづらいと思われる給料の話、
実際に私にやってくる質問で、いろいろな方から何度もいただく質問は皆が
気になっている点だと思われたため、Q & A 方式で記載してみました。

IBM TSOL で勤めることを考えている皆様が、自分にとって悔いのない選択をするための
参考になってたらいいなぁ、と思っています。

特に社外秘の情報とか書いてないので大丈夫だとは思いますが、どこかから怒られたら
この記事は消えていると思います。