今回は SysMain というシステムについて取り扱います。
SysMain は
- ディスク使用率が高くなる
- 動作が重くなった気がする
- SSD 環境では不要ではないか
といった理由から、「無効化してよいのでは?」と話題にされやすいサービスのひとつです。
本記事では、
- SysMain がどのような目的で動いているサービスなのか
- Microsoft は SysMain をどのように扱うべきものとしているのか
- 無効化を検討する際に、最低限押さえておくべき注意点
これらを公開情報を中心に整理していきます。
- SysMain とは
- Microsoft は SysMain をどう位置づけているか
- なぜ SysMain は無効化を検討されがちなのか
- SysMain を無効化する前に考えるべきこと
- まとめ
- 関連記事
SysMain とは
SysMain は、Windows に標準で組み込まれているサービスのひとつで、主にアプリケーションの起動や操作を高速化することを目的としています。
具体的には、ユーザーの利用傾向をもとに、
- よく使うアプリケーション
- 頻繁に利用されるコンポーネント
などを事前にメモリへ読み込むことで、起動時間や操作時の体感的な遅延を減らす役割を担っています。
なお、この仕組みは以前は Superfetch という名称で提供されておりましたが、Windows 10 以降で SysMain に名称が変更されました。
そのため、インターネット上には現在も「Superfetch を無効化する方法」といった情報が残っていますが、現在の Windows では SysMain が該当するサービスになります。
Superfetch
上記の説明を見て、有識者であれば 「キャッシュのことか」 と思う方がいらっしゃるかと思いますが、概ね似たような認識で問題ありません。
ただ、キャッシュ ファイルに何かを格納しているだけというものではなく、様々なコンポーネントがユーザー空間とカーネル空間で複雑に絡み合っています。
Superfetch には、ページ使用やセッション、プロセス情報を照会できる トレーサー や、トレース コレクター、ファイル ページのアクセス情報を履歴のファイルに維持する エージェント などのコンポーネントが絡んでいます。
そして Superfetch はページの優先度設定などにも実は絡んでくるものとなります。
そのため、使用しているストレージが SSD だからという理由で安易に停止することは OS の問題を引き起こす可能性がゼロではありません。
Microsoft は SysMain をどう位置づけているか
SysMain を無効化すべきかを考えるうえで、判断するための基準は Microsoft の公式な見解です。
Microsoft が公開している以下のドキュメントでは、Windows における各サービスの扱いについて言及されています。
この公開情報では、以下のように記述があります。
サービス名 スタートアップの種類 推奨事項 説明 SysMain 自動 無効にしない システムパフォーマンスを維持し、徐々に改善します。
推奨事項は 無効にしない となっています。
この表記については以下の通りです。
無効にしない: このサービスを無効にすると、特定の役割と機能が正しく機能しなくなり、重要な機能に影響します。 そのため、無効にしないでください。
つまり、常に無効にすべきサービスや不要なので停止してよいサービスといった位置づけではなく、Windows の動作を支える前提のサービスのひとつとして扱われていることがわかります。
少なくとも、Microsoft 自身が「SysMain は無効にするべきである」と公式に案内しているわけではありません。
なぜ SysMain は無効化を検討されがちなのか
それでも SysMain が無効化の対象として語られがちな理由には、
いくつかの背景があります。
ディスク使用率が高く見えることがある
SysMain は先読み処理を行うため、環境やタイミングによってはディスクアクセスが増え、タスク マネージャー上でディスク使用率が高く表示されることがあります。
これにより、SysMain が原因で重くなっているのでは?
と感じてしまうケースがあります。
SSD 環境では効果が分かりにくい
SysMain は HDD 時代に特に効果を発揮していた仕組みです。
そのため、SSD が普及した現在では、効果を体感しづらいため、不要なのではないかと考えられることもあります。
しかしながら、先述のように SysMain はユーザー空間とカーネル空間のコンポーネントが複雑に絡んでいることを説明しました。
効果が分かりにくい=不要 とは限らない点には注意が必要です。
SysMain を無効化する前に考えるべきこと
SysMain を無効化すること自体は、技術的には可能です。
しかも、GUI から設定を変更することが可能です。
しかしながら、Microsoft は SysMain を無効化しないように提示しています。
これはすなわち SysMain が動作している前提で今後のアップデートや最適化が行われる可能性が否定できないということです。
よく陥りがちな罠としては、「インターネット上でよく "無効にしろ" と言われているから、特に手元では何も起きてないけど無効にする」 という選択肢がとれてしまうこと。
SysMain に限らず、Windows のサービス全般に言えることですが、
- 明確な問題が発生していない
- 無効化による効果を説明できない
場合は、設定を変更しないという判断も十分に合理的です。
まとめ
SysMain は Windows のアプリケーションの起動や操作を高速化するサービスであり、Microsoft 公式からは無効にしてはならないと言われていることがわかりました。
「SysMain は無効にすべき」 と記述しているブログも存在するが、それは SysMain に関する問題が発生してから検討することです。
Microsoft としては、将来的に SysMain が起動していることを前提としたシステムの変更を行う可能性もゼロではありません。
一方で SysMain のメモリ リークなどの問題が発生した場合は無効化することが有効な対処となる可能性があることから、「無効にすべき」「必ず有効にすべき」と単純に割り切れるサービスではありません。
だからこそ、役割と公式情報を理解したうえで判断することが重要です。
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